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工務店で新築注文住宅(マイホーム)を建てる上20社以上のハウスメーカー、工務店を見て回ったり、100時間以上かけて学んだ建築知識や体験談を綴るブログ

注文住宅・戸建住宅で耐震等級はいくつ必要?

安心、安全、耐震、制震、免震、○○構造、耐震等級、耐震等級3相当などなど、住宅展示場でハウスメーカーを回っていると、この辺りの言葉を聞くようになりますが、何を選んでよいやら基準が分からずに困った記憶があります。


確かに、今後首都直下型地震南海トラフ地震が起こる可能性は高いと言われており、しかもそれが起こる可能性は年々高まっているなか、建物の安全性は、注文住宅や戸建て住宅でマイホームを手に入れる上では非常に重要なポイントです。


そこで、今日は家の丈夫さはどのくらいあればよいかについて、20社以上のハウスメーカー工務店を見てきた施主としての答えをお伝えします。

耐震等級

結論から言うと、耐震等級3です。


なぜそう考えるようになったのか?
また、ハウスメーカーの営業はこの安全基準についてや、お客さんを安心させるためのトークは得意なので色んな話をされますが、営業トーク見極める上での注意点などについてをお伝えできればと思います。

耐震等級とは?

地震に対する強度を示す指標で、過去の地震に対する様々な情報から基準が定めれらていて耐震等級は1~3まであります。
耐震基準は大きな地震が起こるたびに基準が設けられ、1978年に起こった宮城県沖地震を受けて1981年に新耐震設計基準が設けられそれより以前に建てられた建物と比べると耐震性能が大きく向上しました(基準をクリアしないと自治体からの承認が下りなくなった)。



その後も1995年に起きた阪神・淡路大震災を受け、新耐震設計基準では倒壊する可能性のある住宅が多いため、2000年に建築基準法が改正(「2000年基準」と言われたりしています)され、現在は耐震等級1として定められている耐震基準を義務化するようになりました。

ちなみに1981年や2000年の基準制定前に建てられた家は耐震改修工事を行う義務があるわけではない(自治体によって半額補助などの制度を設けているところはある)ため、耐震基準を満たしていない古い住宅やアパートはたくさんあります。


そう考えると、私が注文住宅を建てる前に住んでいた木造アパートは相当古かったので、この辺りの耐震基準とか満たしてなかったんだろうな。。。


耐震等級1とは?

耐震等級1は法律で定めれれる最低限の耐震性能を満たすことを示すもので、数十年に一度起こると想定される震度6~7程度の地震に耐えうるとされています。
ただし、2016年に発生した熊本地震のように、短い時間で複数回の大きな揺れを伴う自身があった際には、耐震等級1の基準をクリアした多くの家が倒壊もしくは激しく損傷して住める状態ではなくなったため、熊本地震規模の地震を想定する場合は、この耐震等級では不十分であると思います。

「2000年基準」も3~4割大被害、筋かい破断など多発 :日本経済新聞

耐震等級2とは?

耐震等級2は耐震等級1の1.25倍の強度があることを示しています。
上記の記事では耐震等級2の家でも一部被害があったことの紹介がされていますが、記事をよく読んでいくとほとんどの耐震等級2の家では倒壊といった被害は出ていないことが書かれています。また他の情報を見ても耐震等級2で倒壊した家は少ないようです。


耐震等級3とは?

耐震等級1の1.5倍の強度があることを示していて、現在の法律が定める最高等級です。
国土交通省の記事を見ても、耐震等級3の住宅では、熊本地震の際にもほとんど被害が報告されていなかったことが分かっています↓
https://www.mlit.go.jp/common/001155087.pdf


家が倒壊しないこととその家に住み続けられるかは別の話し

では、なぜ私が耐震等級2ではなく耐震等級3にすべきと考えているかというと、耐震等級とはあくまで、地震で建物が倒壊せずに、その家に住む人の人体に影響を及ぼさないかどうかが基準であって、地震の後にその家に住み続けられるかどうかは別の話しだからです。

地震で倒壊や半壊まではいかなくても、柱がゆがんでしまったら、中程度の地震でも次の地震が来た場合に家が倒壊する可能性がありますし、雨漏りをするようになったら生活に支障がでますし、骨組みが濡れてしまったらどんどん建物の構造が弱くなります。

また、東日本大震災熊本地震の例を見ても、一度に多数の住宅が被害を受けるため、修理もすぐにはできない可能性が高いです。
そう考えると、例え地震で倒壊や半壊をすることを防げたとしても、その家に地震が起こったとしても長く住み続けたいと考えた場合には耐震等級3を確保すべきだと考えています。


「相当」という言葉には騙されるな!!

ハウスメーカー工務店を回っていると時々

うちは耐震等級3相当の強度があるので大丈夫です

といった説明を受けることがあります。

この「相当」とは、要は建物ごとに構造計算をきちんと行っていないということです。

建物の耐震性能は、家ごとの間取り設計や、窓の配置や大きさ、階数、屋根の素材などによって柱の位置、壁量などが変わりますので一軒一軒異なります。

なので、たとえモデルハウスなどで同じ工法で建てた家で構造計算をして耐震等級3であることを証明していたとしてもそれはあくまでその建物に対する構造計算であって、私たちが建てる建物の構造とは関係ありません。


建築家であればそんなことは分かっているにもかかわらず「耐震等級○○相当」という言葉を使ってお客に安全性を説明しようとするハウスメーカー工務店は、知識のないお客に対して建物の安全性をごまかしているようなものですので、あまり信用しないことをお勧めします。


耐震実験は意味があるのか?

テレビCMなどでも大手ハウスメーカーが耐震実験をして「安全性を確認しています。」といったPRをしていますが、それ自体にはそこまで大きな意味はないと思います。

先ほども書きましたが、一棟一棟その家ごとの間取り設計によって、構造的な強さも異なり、壁や柱の数も異なるので、結局はその家の間取りごとに構造計算をしないと、その家の建物の強度は分からないからです。

だから、いくらハウスメーカーに都合のいい間取りの家で耐震実験をしていたとしても、自分が建てる家の間取りで耐震実験をしていないのであれば、耐震実験をしていても自分の家が安全とは限りません。

ですので法律で定める耐震性能について、きちんと計算をして自分の家の耐震性能の証明をしてもらえるかの方が、耐震実験をやっているか否かよりもはるかに重要です。


制震、免震、○○構造について

耐震基準以外にも、制震、免震、○○構造といった説明で、地震に対する安全性の説明を受けることがあります。
安全性にどこまで費用を掛けるかはそれぞれの価値観次第ですが、当然ですが費用が掛かりますので、耐震等級3をまずは確保できているのであれば、個人的には優先順位は下げて良いと思います。

それよりも、以前の記事で書いているように、機密性能を高めるといったことにコストを振り分けるほうが、住宅の構造を長持ちさせることができ、建物の安全性を長期にわたって保てると思いますし、健康的に暮らすためにも優先順位が高いと思います。


ではでは長くなってしまいましたので今日はこの辺で。
ではでは




参考URL:
地震のたびに強くなってきた耐震基準。旧耐震と新耐震をおさらい | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト

「新耐震」でも倒壊の恐れ 2000年5月以前の木造住宅

耐震等級とは?地震に対する段階別の性能と知っておきたいポイント | ジャパンホームシールド|住まいの安心研究所




断熱性能はどのくらい必要か

注文住宅で新築を建てるためにハウスメーカー工務店を回っていると、たいていの場合はじめに聞かされるワードは「○○工法」とか、「耐震等級」などですが、もう少し調べていくと、「断熱性能」というワードに行きつきます。


でもこの断熱性能については、ハウスメーカーごとに「このくらいで十分です」の基準がバラバラで、何を信じてよいやら分からなくなっているオーナーさんも多いと思います。



例えばローコストメーカー大手のタマホームに行った際には

うちは国が定める最高の断熱等級である、断熱等級4の断熱性能を持っているので断熱性も十分です

と言われました。


一方、高気密高断熱を謳っているハウスメーカー工務店の意見を聞くと

世界的に見ると日本の断熱基準は非常に低く、断熱等級4の断熱性能では不十分です。

と言われます。

初めて家を建てる素人施主としては、建築費用にも影響するし、何をどこまで信じてよいやら分からなくなってしまいました。。



そんな中、1人の素人施主としてどう考えてどう決めたのかをお伝えします。

結論

多くのハウスメーカー工務店の話しを聞いたり、色々な情報を調べた
結論から書きます。

より快適で、健康的で長持ちする家にするためには、今の日本の断熱基準の約2倍程度の断熱性能である、HEAT20という住宅の断熱について検討する団体が定める「G2グレード」という断熱性能を目指すべきと考えます。


実は先進国である日本は断熱性能に関してはかなり遅れていて、ほとんどの住宅は世界基準で見ると、断熱性能は全然足りていません。



断熱性能?
HEAT20って?
G2グレードって?
と急に色々な単語が出てきましたが、この辺りも分かりやすく解説します。



温かい家


断熱性能ってなに?

断熱性能とは簡単に言うと、断熱材というもので家の床、壁、天井を覆って、熱が逃げにくく、入りにくくする性能の事です。

断熱性能が高いと、夏は外の暑い熱が入りにくく家の中が涼しく保たれて、冬は寒い空気が入りにくくて温かい家になります。

断熱性能はどうやって測るの?

窓や断熱材などの熱の通しやすさを計算して表します。
昔はQ値という数字を使っていたようですが、現在はUA値という数字で表すことが主流になっています。


UA値はその建物の熱の伝わりやすさを表しているので、UA地が高い=熱が伝わりやすい=断熱性能が低いということを表しています。


なので、少し分かりにくいですが、UA値は低ければ低いほど断熱性能が高いということです。

日本の断熱基準

断熱基準は断熱等級という形で存在します。

断熱等級は、その土地の気温ごとに1地域から8地域まで分かれていて、以下の図のように分かれています。

断熱性能の地域区分早見表
参照URL:https://www.achilles.jp/product/construction/insulation/knowledge/chiikikubun/

ちなみに東京23区は6地域に属するため、断熱基準について語られる場合は6地域を議論の際の基準において語られることが多いです。

この記事でも6地域を基準にお伝えしていきます。


そして以下が地域ごとの断熱基準です。

断熱基準
参照URL(P26抜粋):https://www.jsma.or.jp/Portals/0/images/eco/pdf/h28koushuukai.pdf


より詳細な地域区分を確認される場合は以下の国土交通省発表のサイトのP31以降をご確認ください↓
https://www.mlit.go.jp/common/001034361.pdf

断熱基準の意味

ちなみに上記の断熱基準は日本では断熱等級4となり、国が公式に定める断熱等級としては一番高い基準です。


そのため、上記の断熱基準をクリアしているハウスメーカー工務店は「最高等級の断熱性能!」とか謳っている会社もあります。



ただ、この断熱基準ですが、特にこの基準をクリアしていなかったからといって、罰則があるわけでも家が建てられなくなるわけでもありません。

単純に「このくらいは目指しましょう」といった程度の基準になっていますので、ハウスメーカー工務店によっては、この基準すらクリアしていない会社もあります。


断熱性能基準については、何度も義務化の動きがあったようですが、その度に義務化は頓挫しているようです。
恐らくですが、断熱基準をクリアできない工務店ハウスメーカーの反対によって義務化が進んでいないものと思われます。

日本の断熱基準をクリアしていれば問題ない家なのか?

断熱基準をクリアしただけでは不十分と考える理由は3つあります。
主にHEAT20という住宅の温熱や結露などに関する専門家やメーカーなどの有識者が集まって、住宅の断熱基準を検討する団体が以下しているこちらの資料のP.16をもとに解説します

①暑くて寒い

資料では、冬の一番気温が低くなる際のLDの最低温度が示されていますが、断熱等級4という現在の断熱基準では室温が8度まで落ちることが想定されています。
当然夏も外気の影響により暑くなりやすいことを示しています。

②暖房効率が悪い

断熱基準の断熱性能では、HEAT20が推奨するG2グレードという断熱性能と比べると、暖房効率が2倍悪いことが示されています。

暖房効率が悪いという事は、単に「電気代が高くなる」という事だけではなく、あっためてもあっためても寒い(温かくならない)ことを表していますので住み心地に大きく影響を与えます。

③結露を起こす可能性が高く、カビの発生リスクや構造が痛む可能性が高い

ここが最も重要な点です。

中学校、高校辺りで、飽和水蒸気量というのを習ったかもしれませんが、要は空気は温かいと水分を多く含むことができて、冷たいと少ししか水分を含むことができないという事です。


そのため、暖かい空気中に多く含まれる水分が、冷たいものに触れると飽和水蒸気量が低くなり、結露することになります。

下記が気体が液体に変わる露点温度を示した表ですが、この表を見ると、冬に一般的な気温20度~24度、湿度50%の場合、13度以下になった場合に結露を起こすことが分かります。

露点温度
参照URL:http://www.ecoq21.jp/ecoheart/cat04/ecoheart04-3.html


HEAT20のG2グレードの場合、一番寒い時間の一番寒い個所ででも13度を下回らないことを基準に考えられた基準の為、結露リスクが低くなります。
※HEAT20パンフレットより参照


結露リスクが低くなるという事は、https://chumonjutaku.hatenadiary.com/#%E6%B0%97%E5%AF%86%E6%80%A7%E3%81%8C%E4%BD%8E%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%9F%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%93%E3%82%8D%E3%81%AB%E7%B5%90%E9%9C%B2%E3%81%8C%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%82%8B:title=以前の記事]でも書きました通り、結露がカビを生み、カビを食べるダニが発生することになりますので、シックハウスアトピーなどの健康リスクが高くなりますし、壁の隙間に結露した水分が溜まることで構造材を痛めてしまい建物の寿命を短くしてしまう原因になります。

コストの問題

断熱性能は上げれば上げるほど良いのですが、断熱材をたくさん使うことは当然ながらコストアップにつながります。
私が調べた限りでは、HEAT20のG2グレードであるUA値0.46前後までであれば、コストアップは数十万円程度で済みます。

しかし、さらに高断熱をしようとすると、付加断熱と言って、家の内壁側にも、外壁側にも両方断熱材を入れることになり、施工費用も断熱材の材料費用も高額になってしまいます。

その為、費用対効果を考えた場合にはG2グレード程度がコストパフォーマンスは最も良いと思います。


HEAT20の G2グレードの家に住んでいる感想

我が家は6地域にあり、UA値は0.47ですので、ほぼG2グレードです(恐らく窓を急遽追加で付けなくてはならなくなったこともあり、0.01超えてしまった。。。)。


G2グレードの断熱性能の家に住んでいる感想ですがかなり快適です。
まず、家のどこでも温度がほぼ一定です。
それは玄関も、脱衣場でも、トイレも例外なく外気温が10度以下の冬でも寒い思いをしません。

ちなみに我が家は冬はほぼ一階のリビングにある14畳用エアコン一台で過ごしていますが、2階も含めてだいたい20度程度はキープできています。




本日は断熱性能について我が家の体験も含めて書かせていただきました。
ではでは今日はこの辺で。
ではでは。






注文住宅で後悔しないために1番重要な事!その5

注文住宅で家を建てることは、多くの人にとって人生で最も高い買い物。
だから後悔や失敗は絶対にしたくないですよね。

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結論から言いますと注文住宅を建てた経験からいうと、注文住宅において一番重要なことは気密性能です。

ここまで、このテーマでその1その2
その3
その4

と4回に渡り
なぜ注文住宅において気密が大事なのか?
気密性がないと健康に影響がある理由
どのくらいの気密性能が必要か?
大手ハウスメーカーの機密性能は?
なぜ大手ハウスメーカーの気密性は高くないのか
高気密な住宅を建てるためにできること

などについて書いてきましたが、今回は
 

について書いていきます。

気密性が低い家は寿命が短くなる

結論から書きますと、気密性が低いと家のいたるところに結露が発生しやすくなり、結露が家を支える木を腐らせるからです。
どういうことかもう少し詳しく解説します。


結露が起こる仕組み

そもそも結露はどうして生まれるのでしょうか?

中学校・高校くらいで飽和水蒸気量というのを習いますが、要は空気は暑いと多くの水蒸気を含めることができて、寒いと少しの水蒸気しか含めることしかできないということです。


つまり、暑くて多くの水蒸気を含んでいる空気が、急に冷やされると、その空気が水蒸気を含むことができなくなり、飽和水蒸気量を超えた分の水分が結露として気体から液体に変わり、それが結露となるということです。


気密性が低いと壁の中に結露が生まれる

気密性が低いということは、家の所々に隙間が空いているということです。だから・・・


夏は高温で多湿の外気が壁の隙間から入ります。そして多湿の外気が室内のエアコンで冷やされた空気とぶつかって、温度差で結露が生まれます。


冬は室内で発生した湿気(人体やキッチン、加湿器、電気器具など)から出る湿気がきちんと換気されず、室内と外壁の間の壁に入ります。
そしてその湿気を含んだ空気が、外気から入ってきた冷たい空気とぶつかって温度差から結露が生まれます。



そうして壁の隙間に湿気が溜まり、結露が生まれることになります。
こうした壁の中に結露が生まれることを「壁内結露」「壁体内結露」「内部結露」といったりします。

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http://showaalumi.net/45/139/ より抜粋


壁内結露(内部結露)は断熱性能も落とす

上記で紹介した画像のように壁ない結露が起こると断熱材も損傷させることになり、結果として家の断熱性能を著しく低くすることにもつながります。

壁内結露(内部結露)は建物の寿命を短くする

そして、壁内結露は建物の寿命を短くします。
結露した水分が柱や構造材を腐らせ、劣化させるからです。

柱や構造材が劣化してしまったら、例え新築時に耐震等級3を取っていようと、実際に地震が起こった時に、住む人の命を守ってくれるか分かりません。
たとえ自身で倒壊しなかったとしても、崩れやすくなっている家で大地震が起これば、命は助かったとしてもせっかく建てた家にそのまま住むことができなくなるかもしれません。


例え地震保険に加入したとしても、全壊時にでも火災保険の半額までしか保証されませんので、地震保険では家を新たに立て直す補償はされません。


気密性が低いといたるところに結露が生まれる

気密性が低いと、壁の中以外にもいたるところで結露が起こりやすくなります。


なぜなら、気密性が低いということは外気がいたるところから入ってき易くなるため、室内の温度差が激しくなるからです。

 
特に、玄関、トイレ、廊下、洗面脱衣所など通常は空調が効いていない場所と、それ以外の居室とで温度差が生まれ、それが結露を生むことになります。


全館空調は結露の問題を解決するか?

ここ数年でいえ全体に空調を行き渡らせる全館空調システムが大手ハウスメーカーの間で採用されることが増えています。

全館空調システムを使えば、室内の温度差は生まれないため、結露は起きなくなるのでしょうか?



確かに、室内の結露については置きにくくなると思います。
しかし、全館空調システムを使ったとしても、気密性が悪ければ、室内の湿気をうまく換気システムで排出することができないため、壁内結露(内部結露)については完全には防ぐことができないと思います。



また、全館空調をしたとしても、例えるなら真冬に穴の開いた服を着たままホッカイロで身体を温めているようなものですので、全館空調では本質的な問題の解決はできません。


それに、全館空調はただでさえ通常のエアコンと比べて設置コストやメンテナンスコストが掛かるのに加え、気密性のない住宅で全館空調を行ったとしてもランニングコストが多く掛かってしまうという問題もあり、費用対効果としても良い選択ではないでしょう。


まとめ

・室内の温度差が大きいとヒートショックで心筋梗塞脳梗塞の危険が交通事故の4倍あること
・結露がカビを生み、カビが生えるとカビを食べるダニが大量に発生し、カビやダニの死骸をすうとシックハウス症候群になり、健康への影響があることは以前の記事でも書きました。



日本では新築で家を購入したり、建てたとしても、30年で建物の価値はなくなるといわれてきました。
それはこれまでの住宅が30年経つと、それ以上住み続けられない家が多いからだと思います。


しかし、日本よりも厳しい断熱や気密の基準がある欧米諸国やドイツでは、日本のように住宅価格がなくなるような事はありません。



せっかく何千万円も掛けて建てる家なのですから、30年といわず、死ぬまで住み続けたいですし、願わくば子どもにも資産として残せる家にしたいですよね。

そのためにも、家電製品などと違って、家を建てる時にしかできない気密工事は家作りを考える時に確実に行うようにしましょう。


それにしっかりとした性能とメンテナンス性のある家であれば、ある程度の住宅価値を確保する動きも業界ではでてきました↓
https://www.best-value-home.jp/img/index/news_180807.pdf

ではでは長くなってしまいましたので今日はこの辺で。

ではでは

注文住宅で後悔しないために1番重要な事!その4

注文住宅で家を建てることは、多くの人にとって人生で最も高い買い物。
だから後悔や失敗は絶対にしたくないですよね。

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結論から言いますと注文住宅を建てた経験からいうと、注文住宅において一番重要なことは気密性能です。

ここまで、このテーマでその1その2
その3

と3回に渡り
なぜ注文住宅において気密が大事なのか?
気密性がないと健康に影響がある理由
どのくらいの気密性能が必要か?
大手ハウスメーカーの機密性能は?
なぜ大手ハウスメーカーの気密性は高くないのか

などについて書いてきましたが、今回は
 

について書いていきます。

高気密な家を建てるために、買主としてできることは?

これまで、住宅を建てる上での気密性能の重要性を書いてきましたが、如何せんハウスメーカーの営業マンは知識や経験が豊富にあり、それに比べて買主は、人生で初めて家を買う初心者です。


買主として高気密な家を建てるためにできることはなんでしょうか?


それは、次の二つの質問をハウスメーカーの営業マンにすることです。

「施工時に気密測定はしますか?」


「こちらで建てた場合にC値はどのくらいになりますか?」

気密性能にこだわっているハウスメーカーであれば、必ず気密測定をします。

なぜなら、前回も書きましたが、気密性(C値)は耐震性能や断熱性能のように理論値で出せるモノではなく、施工後の現場で測定してはじめて、分かるモノだからです。


気密性にこだわっている工務店なりハウスメーカーであれば、気密測定をしてその現場での気密施工がどのくらいきちんとできているかを測定し、仮に気密施工に問題がある個所(隙間が空いている箇所)が見つかれば、その場所の気密施工をやり直します。








では、気密性にこだわりのないハウスメーカーは何と答えるか?

私の経験上次の3つのどれかです。

気密測定は希望があればやります

これは気密測定はオプションで、施主が希望すれば(通常5万円~10万円程度)気密測定をやるという事です。

このように気密測定を位置づけているハウスメーカーは、先ほど述べた気密測定をやらない会社と同じく、普段気密にこだわって施工していない会社です。


仮にそのようなハウスメーカーから「希望があれば気密性の高い家にもできますよ」と言われたとしても、普段から気密にこだわって家づくりをしているハウスメーカー工務店と比べて、高気密な家となることは期待できない(信頼できない)と思いませんか?


どんな分野でもそうだと思いますが、職人さんが日々熟練させている技術は一朝一夕にできるものではないのですから。


○○モデルハウスを建てた時に測った計測値ではC値は○○です

この説明をする営業さんの理屈としては、モデルハウスを建てた時と同じように施工するので、だいたい同じようなC値となるという事だと思います。。

この様に説明する営業さんは、気密性に関する知識がないか、もしくは素人である買主をごまかそうとしているかのどちらかです。


何度も述べております通り、C値は理論値では出せず、一軒一軒気密測定をして、はじめて計測できるものです。

仮に同じメーカーで、同じような構造で建てたとしても、一軒ごとに、間取りも違えば、配管、コンセントの位置、柱の位置も異なりますので、モデルハウス(あるいは他の施主が建てた家で)で計測したC値が、あなたが建てようとしている家で同じような数値が出るとは限りません。


気密は高くしない方が良いですよ

気密測定を行わない会社は、気密測定を行わなくても良い理由をいろいろ述べます。
それについては、これまで書いてきたこと、私以外にも多くの方が気密の意義について述べていますので、それぞれの意見を聞いて判断されてください。

例えば
「気密が高いと換気がされないので息苦しいですよ。」
→気密が高い方が、計画換気が働いて、むしろ汚い空気が換気され、きれいな空気が吸気されることは以前述べたとおりです。


「気密性能は法律で義務化されていませんし、断熱材がしっかり入っていれば冬温かいし夏涼しいですよ」
→気密が低いという事はダウンジャケットのチャックを開けてきているようなもので、冬は寒い空気が、夏は湿った熱い空気が室内に入ってくるという事です。また、健康には気密性の高さが重要であることも以前述べたとおりです。


「結局気密を高めて測定しても、換気扇の穴が開いているから意味ないですよ」
→日本でも1999年まではC値の基準がありましたし、気密測定はJIS規格でも定められています。
また、業界の圧力でたびたび削除されているようですが、省エネルギー基準に再びC値を基準化しようという議論は今もされています。また、世界中でもC値を住宅建設における基準にしている国はあります。
もしそのように言うのであれば、C値が換気や室内の温熱環境に影響がないことの根拠を示してもらいましょう。


ほとんどのハウスメーカーはそもそも気密測定すらしていない

大手ハウスメーカーを回ってみて知ったのですが、この気密測定は法律で義務付けられているモノではないため、そもそも気密にこだわりのないハウスメーカーは気密測定を行っていませんでした。

というよりほとんどのハウスメーカー工務店も含め)では気密測定を行っていませんでした。


残念ながら、これが今の日本の住宅環境です。
そういえば、先ほど書いていた気密測定を行う必要がないと主張するハウスメーカーの主張をもう一つ思い出しました。


「もし気密性がないと問題があるのであれば、日本の90%以上の住宅が問題あるという事になる。ほとんどの大手ハウスメーカーの立てている住宅が問題あるという事になる。だからそこまで気密性を気にする必要はありません」
→「みんなそうだから大丈夫」という理屈は日本人らしい理屈ですよね。こう主張する人には、このブログで紹介した知識をもとに、深堀りした質問をしてみてください。基本的に建築の知識がない人がほとんどです。


なぜ、ほとんどのハウスメーカーは気密性を意識しないか?

これは、ほとんどの施主がそこまでの知識なく家を建てるため、「求められないから」が答えだと思います。

もし気密性を高める施工をハウスメーカーが行おうとすると、
・職人を育成しなければならない
・高い技術のある職人を雇わなければならない
・気密施工をするため、工期が延びる
・気密測定をするコストがかかる
といった理由からコストアップをしなければならなくなります。


99.9%の買主は初めての家づくりで、建築に知識がほとんどない素人相手ですので、このブログで紹介してきた気密の知識なんか持っていない人がほとんどです。


ほとんどの買主から求められてもいない気密性を上げることで、コストが上がり、コストが上がることで、気密性を考えていないハウスメーカーに価格面で負けてしまい、お客さんを取られてしまうことになるので、気密性にリソースを掛けることをしないのだと思います。



逆に言えば、気密にこだわる家を建てるという事は、日本に立てられている住宅の中で少なくとも上位10%に入る性能を持った、健康的で快適な家に住めるという事です。


家づくりは一生に一度の一番大きな買い物です。
是非正しい知識を付けて、後悔のない、住んでみてよかったと思える家づくりにしていただきたいという思いで、ブログを書いています。


ではでは長くなってしまいましたので今日はこの辺で。

ではでは

注文住宅で後悔しないために1番重要な事!その3

注文住宅で家を建てることは、多くの人にとって人生で最も高い買い物。
だから後悔や失敗は絶対にしたくないですよね。

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結論から言いますと注文住宅を建てた経験からいうと、注文住宅において一番重要なことは気密性能です。


ここまで、このテーマでその1その2と2回に渡り

なぜ注文住宅において気密が大事なのか?

気密性がないと健康に影響がある理由

どのくらいの気密性能が必要か?

大手ハウスメーカーの機密性能は?
などについて書いてきましたが、今回は
 

について書いていきます。

なぜ大手ハウスメーカーの気密性は高くないのか?

真相については、私は業界人ではないので確証があるわけではありませんが、
大手ハウスメーカーは機密性を高めないんではなく、できないんだと思います。

機密性能を高めるためには高い施工技術と施工管理が必要

気密性能を高めるためには、柱やサッシ、防水シート、断熱材などの建材をきちんと組み立てることはもちろん、部材の間に生まれる隙間を埋めるための気密シートというものを建材の隙間の形に合わせて貼っていきます。


建材と建材の間の隙間と言っても、屋根や構造を支えるための柱、コンセントなど色々な形の隙間が建物にはありますので、その一つ一つの隙間を丁寧に埋めていく作業には、現場で作業する職人さんの非常に高い技術が求められます。


耐震性能や断熱性能については、設計で計算上の数字だけで高い能力か否かが分かります。


一方気密性能については、室内の施工がある程度終わった段階で、専用の機械で気密測定を行い、建物内にどのくらいの隙間があるかを測定して、はじめてその建物内の気密性(C値)が分かります

そのため、C値には理論値という考え方はありません


つまり、実際に立てる現場でどれだけ丁寧な施工がされているかが数値に現れることになります。


気密性能が高い家は欠陥住宅になりにくい

実は私自身が家を建てる上で、気密性能に注目したきっかけはここでした。


家づくりを検討しているとき、やっぱり気になるのは
「もし建てた家が欠陥住宅になったらどうしよう。。。」という事でした。


Google先生
「○○ハウス 欠陥」
「○○ハウス 訴訟」
とかのワードで大手ハウスメーカーの名前を入れるといくらでもその類の情報が出てきます。


一生に一度の人生で一番高い買い物なので失敗したくないとうい思いから、こういった情報を調べるたびに不安感が増していきました。


どうしたら自分が建てる家が欠陥住宅にならないか考えていた時に知ったのが、このブログで紹介している建物の気密性という考え方でした。


欠陥住宅の事例をいくつも調べてみて学んだことは、欠陥住宅とは要は、施工が適当で設計通りに作れていないという事です。


そしてそれは大手ハウスメーカーだろうが、探せば事例は出てきますので、有名だから、ブランドがあるから現場の施工がきちんとしていることにはならないという事です。


だから、いくら立派なパンフレットで、耐震性能の高さや、壁やら窓やら部材の素晴らしさを紹介してもらったとしても、それらがきちんと施工されないと、欠陥住宅になりうるという事です。


そう考えていた時に、現場の施工がしっかりしていないと気密性能を高くすることはできないことを知り、気密性能は欠陥住宅を防ぐハウスメーカー選びのための一つの指標になるなと考えるようになりました。


大手ハウスメーカーでは高気密は難しい?

住宅産業新聞という専門誌を調べてみると、2017年度の大手ハウスメーカーの戸建て住宅の販売戸数は、5,000件~10,000件です。
着工から引渡しまで1軒当たり短くても2ヶ月~3ヶ月掛かるため、どんなに少なく見積もっても1,000軒~2,000軒の現場が同時に動いている計算になります。


人手不足と言われている建築業界で、優秀な職人さんを1,000~2,000の現場分用意することは、容易ではないと思います。


また、ハウスメーカーを回っていた時に一人の現場監督の方は一度に何現場くらいを担当しているのかを聞いたところ、だいたい20~30軒という回答が多かったです。


ちなみに私が建てた工務店の現場監督の方が一度に担当する現場は3~5軒程度と言っていました。


こういった事情から、年間着工件数の多い(組織規模の大きいハウスメーカーは多くせざるを得ない)大手ハウスメーカーやローコストメーカーには高気密にする現場施工を行う体制を整えることが難しいのだと考えられます。


というよりも、そもそも、多くのハウスメーカーは施工した建物がどの程度の気密性能か計測すらしていません。。



長くなってしまいましたのでそのあたりの事情も含め、次回以降に書いていきたいと思います。


ではでは今日はこの辺で。

ではでは